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1年生支援事業が2年目
現場教師に期待感

 県は昨年度から小学校一年生を対象とした学級支援事業に取り組み、二年目となる今年度、七校が市内で対象となっているが、児童達への効果を期待する声が教諭達の間に強い。学級崩壊など児童、生徒の問題が生じている中で、現場の教諭達は事業の拡大に期待を寄せる。
 一年生学級のうち多人数の教室に非常勤講師を付ける単純な事業だが、集団生活に馴染めない児童が増えており、県では一年生の段階で適正な指導が行われ、よりよい教育の実現に結び付くと考えている。
 文部科学省では、子ども達一人一人の個性が伸びるよう指導することを教育指針として掲げているが、小学一年生の場合には、基本的な生活指導から行わなければならないなど、一人一人への対応が難しいという背景がある。市内でも、授業中に出歩いたりする児童も時として見られると言い、児童の精神面に配慮した指導が行われないまま高学年に移行して、学級崩壊などにもつながりかねない。学級崩壊問題では、時として家庭のしつけが問題に挙げられるが、支援事業にかかわり学校関係者の話では、子ども達の内面的思考までを酌み取る教育方法の重要さを指摘する声が多い。
 体育の授業で着替えをしようとしない児童がいて、教諭は全体の授業のため校庭に出なければならず、その間、非常勤講師が、この児童の説得にあたり、十分もかけて「パンツに柄があるために恥ずかしかった」という理由を聞き出してくれた、という事例をもとに、もし、これが教諭一人だったら、ほかの児童達を待たせるため、理由を聞かずに叱ってしまうが、児童が納得する形で処理出来たと、ある教諭は説明する。
 児童達も自分の判断で行動していることから、教師が理由も聞かずに怒った場合のリスクは、児童にとっては説明が示されないまま自己の考えが否定されることになり、行動の判断基準を持ちにくいという負担が挙げられる。
 授業は教諭が担当し、講師はよそみをしている児童に授業を聞くよう促したり、教材道具の出し入れに手間取る児童を導いたりといった補助的仕事を行う。出歩く子がいても授業は中断されず、トイレに行きたいという児童にも講師が付いていくことで全体を待たせることがなくなり、教諭が授業に集中出来ることがメリットとして挙げられる。また、複数の方向で児童達を観察することで、子どもの評価がより正確になるという。
 講師は、最高四十人学級に対して多人数学級を三十六人以上と規定して配置。二学級に一人が置かれるが、任用期間は六カ月未満で同一年内に一回の更新が出来る。一日四時間が基本で、週五日年間、三十四週の範囲内で勤務する。昨年は百十一校に一人ずつを配置したが、今年度は百十五校に百七十七人を充てる形で規模を拡大した。
 講師は教育事務所などが面接を行い、「子どもに好かれるタイプか」「面倒を見ようとする意欲があるか」などの項目によって希望者を選抜するが、緊急雇用創出特別基金の対象事業でもあり、教員免許の有無は問わない。
 現場では、このような形で授業を補佐することで授業の運営方法などを技術を見て学べるという点で、「新卒など教員になろうとする人が経験すれば勉強になるのではないか」という講師からの提案や、「子どもの気持ちを聞いてもらえるという点では、高学年であっても必要な学年には配置したらどうか」という意見もある。

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