中学生の五人に一人は、喫煙、あるいは飲酒の経験がある−。沼津地区保護司会の調査結果から、こんな数字が出た。しかし、他人の持ち物を黙って使うことは悪いことだと思っている。現代中学生気質の一端をうかがわせている。
社会を明るくする運動と青少年の非行問題に取り組む強調月間が、二カ月間にわたって展開されたが、調査は、社明運動の一環として実施された。対象は市内三つの中学校の二年生三百二十九人。
設問の最初は「毎日の生活」について。
毎朝家で朝食をとるかどうか尋ねたのに対して、「ほとんど毎朝食べる」が八八%と大半を占めたものの、「食べない時」が多いも一二%。食べない理由は「朝寝坊して時間がない」と「その他(調査結果では具体的中身については触れていないが、例えば、ダイエットのためなどが考えられる)」が、相半ばした。
朝寝坊の原因として、調査結果では、「生活が夜型になっているためではないか」と見ている。また、ほんのわずかだが、「作ってもらえない」もあり、気になるところだ。
次に「社会生活のルールとマナー」について。
「飲酒、喫煙の経験」を尋ねたのに対して、「飲酒」「喫煙」いずれかを経験したのを合わせると五人に一人。そのうち、「飲酒」の経験がほとんど。「なぜ飲酒、喫煙したか」では、「好奇心」が圧倒的。ただ、「友人に誘われた」「友人に強要された」が十人に一人強となり、友達付き合いの大切さとともに、その友達は「飲酒、喫煙」が常態になっているのではないかとの心配もある。
調査結果は、「自分の心をコントロールする力をどう育てるかが課題」だと捉えている。
また、「満員の電車、バスで老人に席を譲るか」を聞いたところ、「譲る」は十人に八人近くあり、譲る理由としては、「当然のこと」とするのが、七一%、その他は「老人も疲れているだろうから」。「席を譲ることについて誰かに教えてもらったか」の質問では、「父母から」「教師から」「教わった覚えはない」が、ほぼ均等で三人に一人。僅かながら「祖父母から」もあった。
調査結果は、「教わった覚えがないのが三三%あったのは考えもの。家庭や学校、マスコミなど、どこかで教えられているはずなのに、大人と子どもの意識の違いを感じる。大人と子どもの意識にズレがあり、それに気付かないでいるのかもしれない」と憂慮する。
さらに、「他人の傘を無断でさして変えることや、他人の教科書を黙って持っていくことをどう思うか」の質問に、十人に九人強は悪いことだと思っているが、「後で返せばよい」「なんとも思わない」が合わせて七%。調査結果は、「このような感覚が万引きや自転車盗に結び付くのではないか」と見ている。
続いては「社会施設や遊技施設」について。
「ゲームセンターで遊んだことがある」のは十人のうち九人。「友人同士」が過半数、それに近い数で「父母と一緒」に入場している。
「学校の休日の過ごし方」の質問では、「テレビを見てぶらぶらしている」(四六%)、「運動をしていることが多い」(三七%)、「塾や習い事(ピアノなど)」(一五%)の順。「休日を有効に過ごすために増やしてほしい施設」として、「グラウンド・広場」「体育館や屋内運動場」が、ほぼ同数で並び、続いて「図書館」「科学館」。
「友人のこと」について。
「自分の周囲で、無視や仲間外れ、物を隠してしまうなど、いじめと思われることはあるか」の質問で、「ある」(一一%)「多少はある」(二九%)と、かなりの割合で「いじめ」があると認識している。
それに対して、どうしたか。「止めた」が二一%、「先生か家族に知らせた」が二〇%だったのに対して、「見て見ぬふりをした」が四二%、「いじめる側に回った」が一七%。「見て見ぬふりをした」のは「大人自身が、現在の社会状況に関わりを持たず、自分の生活優先で、自分さえ良ければいいという考えが子ども社会にも現れているのではないか」と調査結果は懸念。「本来大人が持っているきれいな心を守り育てることが大人の使命であり責任」だと談じている。
「中学生の行動」について。
「どんなことが不良だと思うか」を尋ねたのに対して、「喫煙」「飲酒」「暴力」「まちをふらつく」「夜遅くまでふらつく」「学校の規則を守らない」を挙げ、「周囲にそういう友達がいるか」の質問には「いる」と「いない」がほぼ半々。
その他の質問では、「携帯電話を持っている」のは三人に一人強。「家族との連絡に使っている」「友達との連絡に使っている」が同数あったが、十人に一人強は「メール友達を作りたいため」。
「困った時の相談相手」として「友達」が最も多く、その半数程で「親」が続く。「尊敬出来る人はいるか」の問いには、過半数が「いる」と答え、それぞれに具体名を挙げた。
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